「此の花（このはな）」

きんとん　中 粒餡

松・竹・梅は「歳寒三友（さんかんさんゆう）」と言われ、寒い冬でも枯れず、その力強さからお正月の縁起物として親しまれています。中でも梅はこの時期和菓子の題材として良く扱われます。
此の花とは梅の花の雅称（がしょう、風雅な呼び方）のこと。紅白のおめでたい色わけは紅梅白梅を表し、右側には紅、左側に白という並びは日本古来の「右紅左白（うこうさはく）」と呼ばれる慣習に基づきます。

塩瀬の此の花は白い部分に薯蕷練り切りを用います。塩瀬の薯蕷と言えば、和菓子屋でも珍しい本来の製法で作られるお饅頭が有名。最高品質の大和芋のみを用い手で剥きすりおろす。この工程を経る薯蕷練り切りを使うのは塩瀬ならではです。大和芋を火を入れながら練り切りと混ぜ合わせこの白の色合いを表現します。

右紅左白のおめでたい並びにして、是非お召し上がりください。